21日のロンドン市場は、ドル買いが再燃した。東京午前に報じられたハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の3月利上げの可能性を排除せずとの発言が背景となったようだ。神経質な動きを伴いながらも米債利回りは一段と上昇している。10年債利回りはロンドン序盤の2.43%近辺から中盤には2.4550%近辺へと水準を上げている。このあとのNY市場では、あらためてハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の講演が予定されているほか、ハト派的な発言の多いカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の講演、NY時間午後にはウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演が続く。次第に早期利上げ機運が高まってくるのか、一連の講演予定が注目されている。
ロンドン時間にドル高を主導したのはユーロドルだった。ユーロドルは1.0580-90レベルから下げ続けており、足元では1.0532近辺に本日の安値を広げている。ユーロ円も軟調。東京午前の上昇を消すと120円割れから119.60近辺まで下押しされている。この日発表されたドイツやユーロ圏のPMIは良好な結果だったが、ユーロ買いの反応は乏しかった。ギリシャ支援協議が再開されることになり、ギリシャ債は引き続き買われているが、リスク選好ムードには至っていない。フランスやオランダの政治イベントが近づいており、不透明感がユーロ相場の上値を抑えた面も指摘されている。
ポンドドルも軟調。1.24台半ばから1.24ちょうど付近へと下押しされている。ポンド円は141円台前半から141円割れ水準で神経質な上下動。足元ではやや円買いが優勢。対ユーロではポンドは比較的堅調。この日は英中銀総裁などが金融政策について議会証言を行った。カーニー英中銀総裁は、インフレのオーバーシュートの主因はポンド相場下落にある、と指摘した。11月以降は市場のインフレ期待に一段の上昇はみられない、との認識。インフレの2次波及効果が賃金にも及ぶようであれば、インフレのオーバーシュートに対する忍耐の許容度は限定的となるだろう、としていた。
ドル円は東京午後に113.71近辺まで買われたあとは、ロンドン序盤は反落。一時113.40近辺まで下押しされた。ただ、その後はユーロドルやポンドドルの下落、米債利回りの上昇を横目に113.77レベルに高値を伸ばした。NY序盤にかけては113円台後半で高止まりとなっている。
資源国通貨はまちまち。豪ドルやNZドルは対ドルや対円で軟調に推移した。一方、カナダドルは対ドルでの下落は限定的。対円ではむしろ買いが優勢。NY原油先物が時間外取引で大幅高となっており、カナダドルの下支えとなった面があったようだ。カナダ円は一時86円台後半に上昇。一方、NZドル円は一時81円ちょうど近辺まで下落、豪ドル円は87円を挟んで神経質な上下動。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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