【NY市場】イエレン証言を受けドル円114円台に上昇

 きょうのNY為替市場は、この日のイエレンFRB議長の議会証言を受けてドル買いが強まっている。議長の証言は先日の講演と変わらないトーンではあったものの「引き締めを待ち過ぎるのは賢明ではない」と再表明しており、利上げに前向きな姿勢を堅持していた。また、「大規模なバランスシート維持は緩和を助ける」と慎重姿勢を滲ませながらも、「FOMCはバランスシート戦略を今後数ヵ月で協議」と、国債の再投資の停止に協議が及ぶ可能性も示唆していた。

 市場が注目していた3月FOMCに関しての具体的な発言は無く、市場でも織り込む動きは少なかったが、議長がタカ派姿勢を堅持していたことは、ドル買い戻しの流れを加速させるには十分だったようだ。

 ドル円は一気に114円台を回復し、一時114.50付近まで上昇した。東京時間にフリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)の辞任が発表されたが、米株式市場はネガティブな反応を見せていなかったこともドル円をサポートしたようだ。

 前日高値の114.15水準も上回り、21日線がしっかりと維持されている。チャートの形も悪くはなく、心理的節目の115円を視野に入れる可能性も出ている。

 一方、ユーロドルは売りが強まり、一時1.0560付近と約1ヵ月ぶりの安値水準に下落した。ユーロドルはきょうの下げで10日線と21日線のデットクロスを示現している。フィボナッチ61.8%水準が1.0525付近に来ており、目先の下値サポートとして意識される。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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