きょうのNY為替市場は全体的に調整色が強まっており、ドルロングを解消する動きが優勢となっている。特段のドル売り材料は見当たらないが、クリスマス休暇が近づく中、ポジション調整といったところであろう。米国債利回りも米株も上げが一服していた。
ドル円も序盤は117円台前半まで下落していたが、日本時間1時のロンドン・フィキシングにかけて買いが強まり、117.75付近まで戻している。薄商いの中、実需のドル買いが持ち込まれたのかもしれない。トランプ氏の経済対策への期待と、インフレによるFRBの利上げ期待でドルに関しては強気な見方をしている向きは多い。
ただ、118円台回復を試す動きまでは見られなかった。ドル円は前日の日銀決定会合を受けて買戻しが膨らんでいたが、118円台前半の水準で上値を固く拒まれており、短期筋中心に上値では利益確定売りも出ている模様。
下値メドとしては週初の安値でもあり、10日線も来ている116.50水準が意識される。
一方、ユーロドルは買戻しが優勢となった。前日は1.03台半ばまで下落し、パリティ(1.00)を目指す展開が続いていたが、きょうはその動きも一服している。ただ、本格的なリバウンドにはほど遠く、心理的節目となっていた1.05には慎重な気配だ。ドイツのトラック突入テロの影響もなく、きょうは実需買いが入っていた模様。
市場では、来年はパリティ(1.00)を割リ込むとの見方が有力だが、ECBは量的緩和(QE)の拡大を縮小させてくるとの見方も一方で多い。原油がこのままの水準で推移するようであれば、来年早々にも消費者物価は1%台を回復し、その後も急速に上昇してくる可能性もある。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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