【NY市場】ドル円は一時110円割れ 米自動車販売が冴えず

 きょうのNY為替市場でドル円は110円を割り込む場面も見られた。きょうは自動車各社から7月の米自動車販売が発表になっており、米メーカーが予想以上の減少となったことを嫌気しドル売りが強まっている。NY時間の朝方に110.50近辺まで買い戻されていたドル円は見切売りが出て一時109.95付近まで下落した。

 米自動車業界は一旦ピークアウトも言われており、売れ残って新車から中古車に格下げになっている在庫も膨らんでいるとも言われている。販売価格も下げていることからインフレ鈍化の要因の一つとも見られており、市場もこれまでより警戒して見ているのかもしれない。

 しかし、110円を割り込むとロング勢の買いオーダーも控えているようで、その後は110.30付近まで下げ渋り、110円台はかろうじて維持した。

 一方、ユーロドルは上下動。一時1.18ドルを割り込む動きも見られた。前日のロンドン・フィキシング後に一段高となり1.18ドル台に上昇。さすがに現段階での1.18ドル台は行き過ぎとの声も少なくない中、一旦利益確定売りが強まったのかもしれない。

 しかし、米インフレ鈍化懸念やトランプ大統領の経済政策への不透明感もあってドル買いの流れに戻れない中、ユーロへの資金流入は根強いようだ。

 現状のユーロ高が続くようであれば、ECBはインフレ見通しに影響を与えるとの見方も出ている。来月のECB理事会ではスタッフの経済見通しが公表されるが、2018年のインフレ見通しが下方修正される可能性も指摘されているようだ。

 ECBは9月か10月の理事会で資産購入のペース縮小を検討するものと見られているが、ECBは難しい舵取りを迫られそうだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です