12日のロンドン市場は、東京市場でみられた円高の圧力が残っている状況。円高の背景にはロシアゲート疑惑に関連してトランプ政権への不透明感が広がったことがあった。
ドル円は東京午後の取引で113.32レベルまで安値を広げた後の戻りは113.55近辺まで。ロンドン市場では113.40-50レベルを中心とした安値圏での揉み合いが続いている。一段の下押しの動きはみられず、このあとのNY市場でのイエレン米FRB議長の議会証言待ちになっている。
クロス円は序盤に安値を広げる動き。ポンド円は一時145.28近辺まで下落した。ロンドン早朝に英紙がブロードベント英中銀副総裁の発言を報じたことがポンド売り反応を呼んだ。同副総裁は、利上げの準備が出来ていない、経済に多くの評価できないものがある、などと発言。ポンドドルは1.2812レベルまで一時下落した。その後はしばらく安値付近での揉み合いが続いたが、3-5月の英ILO失業率が4.5%と約40年来の低水準を記録したことで買い戻された。ポンド円は146円手前、ポンドドルは1.28台後半に反発している。ただ、賃金の伸びがインフレに届かない実質賃金低下のパターンは続いており、英金融政策運営を困難なものとする状況が継続。
ユーロ円は130円割れから129.72レベルまで下値を広げた。この日発表された5月ユーロ圏鉱工業生産は予想を上回ったものの、ユーロ買い反応はほとんどみられなかった。ポンド売りに連れ安となった形。ユーロドルは1.1480近辺から1.1442レベルまで反落。その後は1.14台半ばでの揉み合いになっている。
カナダドルも軟調。カナダ円は88円ちょうど近辺が重くなっており、一時87.70レベルまで本日の安値を広げた。ドルカナダは1.29割れまで下落したあとは、1.2930近辺へと反発。欧州株高やNY原油先物の高止まりにもかかわらず、売りが先行している。きょうのカナダ中銀政策会合では0.25%の利上げ観測が広がっているが、すでに市場には織り込み済みとなっているもよう。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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