きょうのNY為替市場も前日に引続きドル売りが優勢となっている。日本時間1時のロンドンフィキシングにかけてドル売りが強まった。特にドル売りの材料は見当たらないが、薄商いの中で、年末に向けたポジション調整に伴うドル売りが入っているとの指摘も聞かれる。明日は今年最後の取引日となるが、年末年始の連休を前にドルロングを調整して置きたい投資家もまだいるようだ。
また、中国当局がこの日、人民元相場を管理する上で独自に算出している人民元指数の構成通貨を13から24に増やし、ドルのウェートを約26%から約22%に低下させると発表したこともドルを圧迫したとの指摘も聞かれる。1月1日から適用。
ドル円は一時116円台前半まで下落している。21日線が116円ちょうど付近に来ており、その水準は維持したものの、上値は次第に重くなっている印象。ただ、この2日間の下げに本格的な調整の雰囲気はない。年末を控えた薄商いの中で、短期筋中心に上値を狙ったものの、重かったことから見切り売りが出た程度と思われ、それに実需が加わった格好と見られる。薄商いで値は上下に振れやすい。
依然として市場では、来年のトランプ氏の経済政策やFRBの利上げへの期待は高い。いずれにしろ、来年のトランプ待ちの状況ではある。
ユーロドルは買戻しが続いており、1.04台後半に再び上昇。一時1.05回復を試す動きも見られたものの、結局、上値は拒まれている。来年の政治リスクがユーロの上値に蓋をかぶせているようだ。
ただ、足元の指標は良好。きょうは11月のマネーサプライと伴に金融機関の貸し出し動向も発表になっていたが、家計への融資は前年比1.9%増と前月の1.8%から伸びが拡大し、企業への融資も前年比2.2%増と前月の2.1%増から伸びが拡大した。
マネーサプライ(M3)も予想以上の伸びとなったが、この2つの指標の伸び拡大は潜在的には経済のポジティブな兆候であり、インフレ期待も高める。ECBにとっては良いニュースであったであろう。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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