27日のロンドン市場は、ユーロ買いが広がっている。ECBフォーラムの冒頭に行われたドラギECB総裁の基調講演での発言が背景。これまで通りの慎重な姿勢は維持しつつも、インフレに関する表現の変化に市場が敏感に反応した。総裁は、インフレを抑制している要因はすべて一時的なもの、デフレ圧力はリフレ圧力に置き換わった、との認識が新たに示されている。この発言を受けてユーロドルは1.1180-90レベルから一気に1.12台に乗せるとその後も買いが継続、取引中盤にかけては1.1266レベルに高値を伸ばしている。序盤は欧州株安で売りが先行したユーロ円も124円台後半で切り返して125円台を回復、そのまま高値を伸ばして一時125.96レベルまで上昇した。
ポンドに関しては、英中銀金融安定報告に関連したカーニー英中銀総裁会見が注目された。金融安定報告では、銀行に対するカウンターシクリカル資本バッファーをゼロから0.5%に引き上げ、さらに11月には1.0%に引き上げると発表された。ブレグジットの不透明感に備える措置。英中銀総裁は、英総選挙ではブレグジット緊急対応プランを変更せず、現時点では利上げは望ましくない、などとしたが、新味には欠けておりポンドは反応薄。ポンドドルはユーロドルの急伸とともに1.27台前半から1.2772レベルまで上昇したが、その後は1.27台半ばでの揉み合いに落ち着いた。ポンド円は序盤に142円割れ水準まで下落も、その後は142円台半ばへと再び戻している。
ドル円は下に往って来い。欧州株や米債利回り動向をにらんだ動き。欧州株が下落でスタートし、米10年債利回りが2.12%台に低下すると111.46レベルまで下押しされた。しかし、欧州株が下げ渋り、米10年債利回りが2.16%近辺へ上昇すると、111.80近辺まで反発している。ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁はシドニーでの講演で、インフレは来年ごろに2%に上昇する見込み、FOMCは緩やかな刺激策の解除の過程にある、などと述べたが目だった反応はみられなかった。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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